新規就農

『地主様』

c65a5f43.このところ かなりの冷え込み 朝晩特に厳しい 夕方暗くなり畑から帰って熱い熱いシャワーを首の後ろのところに当てると 声にもならない声が響く 縮小していた体のあちこちが膨張するように緩んでいき 一日が終わったことにほっとする 

昨日は占いの仕事が入る この仕事に関しては自分の選択権はあまりない 畑が忙しかろうが 自分の状態に関係なくやらねばならんときはやらざるをえない状況が訪れるので それに従うのみ 人と関わる数時間の間 自分は白昼夢のようになり記憶はあまりない 多少なりともお役に立てたとしたら これ幸い

『地主様』 今日のテーマ いわゆる田舎における古来からの言い伝え 地主への御励行なくば親の葬式に出るなかれ・・・ つまり地主さんへのご挨拶などをちゃんとしてなければたとえ親の葬式があったとて出る資格はない という 小作の立場を戒めた格言である(嘘つけ!すいません 僕が今作りました) まあ こんな大げさではないものの 僕のような新規就農者にとって 地主さんというのは サッカー界における ペレ・マラドーナという神のごとき存在にも等しい 今日 午前中その地主さんのところに 地代を持ってご挨拶に伺う 実は今日が初対面 お世話になっている高柳さんの仲介で借りることになったわけだけど 地主さんからすれば どこの馬の骨にもわからない人に貸すのは田舎では無理なので
間に立ってくれる人が重要だ 地主さんからすれば 高柳さんという人がいて初めて成り立つ話 それが田舎の定石なので 僕もあまり表には出ないようにしていた そして年が明けて満を持して ご挨拶となった ご主人は近くのゴルフ場の支配人をされている 畑の管理などは80歳を越えようかという おばあちゃんがしている 立派な門構えで昔の農家の家だ ちゃんと出迎えてくれて こたつにも入れてくれて小一時間話す (ああ あんたみたいないい人でよかったよー 畑は荒れるとだめだからなー よかったよー)と言ってくれる
 おばあちゃんの話は 戦中 戦後 そして今と日本の長い歴史の一旦を交えて 失われた田舎のとある農家の話だった じっくり聞いていてこの国は本当にいろんなものを失ったことがわかる もちろん 奇跡といわれた経済発展を手に入れたわけだからしょうがいないけど その裏にある田舎がどれだけの犠牲を払ったのか ということに考えをめぐらせる人は今 どれだけいるのだろうか? 50年農家の嫁として働いたおばあちゃん 今の田舎暮らしや 自給に憧れる人は こうしたお年よりのお話を聞いて 爪の垢を飲むといい 
 地代を相場の半分にしてもらい 頭を下げ続ける (いいんだよ 野菜売れてからでいいんだよ)と言ってもらう・・・・・今日の写真 収穫の始まった白菜  

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