日本には 四季を表現する たくさんの言葉があり そこから自然を知るきっかけになり 日常の生活に彩りを与えてくれる 僕ら百姓は 毎日 季節がわずかずつ変化していく様を 文字通り体で体験していくけど そうした素敵な言葉を聞いて 改めて 四季の移ろいを楽しむことができる
てことだけど この季節 花粉症がやってくるわけで お困りの人もいるかと思う 都会の人は この原因 スギ花粉だということは ご存知だと思うけど なんで こんなにもスギが多いのかご存知だろうか？ これは経済林といって 人工的に植えられたものです つまり 昔の人が 将来自分達の孫が 大儲けできるようにと スギの苗をばかばか植えていったのですね 本来生態系というのは 多様であればあるほど その独特のバランスでもって 自然を維持して 循環のサイクルを行うことができます だけど 今の日本の田舎には 木材の暴落により この スギが放置されていて 間伐に入る費用を捻出できないせいで 荒れ果てた スギの荒野が広がっているのです そして 孫を思い 植えたスギが まさか将来 アレルゲンとなり都会の人の多くを苦しめる元凶となるとは 思いもよらなかったでしょう ここにも 戦後 高度成長を支えた 都会と田舎の従属した関係が垣間見えます
なんだか 田舎の廃れていくその思いを 都会の人に訴えるがごとく 田舎を忘れて欲しくない とでも 言っているように 空気中に舞う あの黄色い粒子が そうした思いを乗せて 都会へとたどり着くのかもしれない でもつらい思いをする人にとっては たんに迷惑なだけでしょうね
今日の写真 どんどん増えるハウスの苗