昔の話~農業に至った経緯

希望の光 ランチはいなり

89143ed7.昨日は寒く 今日は生暖かく 温度差が激しい ハウスを開けるのか締めるのか 面倒なので締めたままにする 今日はひたすら 人参の除草 地べた30センチの視線で6時間しゃがみっぱなし 足腰が痺れるが じべたから見る 畑というのは まるで小宇宙で虫や草 など 僕の畑にも いろんなミクロの世界が広がっているのがわかる

 その昔 20代前半の頃 高級クラブのボーイの仕事を半年やったことがある 坐っただけで何万円 お金持ちの人がホステス目当てに飲みにくる場所 オーナーは893の幹部 1時間おきに電話かけてきて (客は入っているか?)だけを聞く 経営能力はゼロだけどよほどしのぎが厳しいのか いつも必死の声だった 営業前のホステスさんたちは 営業時間とは打って変わって にこりともせず ひたすら 一点を見て タバコをすかしているだけ まるで 裁判を待つ被告人のような 冷え冷えとした風景だ 店がオープンすると僕は 客を案内して 膝をついておしぼりを渡し ホステスに酒を渡し 店長の指示で ホステスに耳打ちして 各テーブルを回し 灰皿を変えて 店全体に目を光らせる 
 
 そんな中 一人 上下ジャージを着てランニングでいつもやってくるホステスさんがいた
じっと坐って身動きひとつしない 他のホステスの脇で入念にストレッチをやったり 発生練習をしたり 一人いつも浮いていて 地道に努力していた もちろん喉のためにタバコは吸わず 酒も口をつける程度だ  彼女は 営業時間の間に 何回かステージがあって ブルースを歌う 客の横にも付くけど 基本的には歌に命を賭けていた だけど 客はそんなステージを見ることもなく ホステスの耳元で囁くのに忙しく 彼女の渾身のブルースは むなしく店内に響いていた 

 若くて着飾った他のホステスたちは どこか投げやりで20代にして 何かをあきらめた風だったけど ブルースの彼女だけは 希望の匂いがした プロとしてデビューするそのときまで最後まであきらめないわ という 気 がみなぎっていた

あの人は どうしたろうか? 希望通りプロになれたかな? 結果はもちろん大事なことだけど 希望 をもって毎日努力するものに価値がないわけはない 僕が属している 農業 という業界 すでに 船内に海水が入り込み 沈没寸前のタイタニック状態だ もちろん 自分のやっていることなんて 何の影響ももたらさないだろうし 結果として 日の目を見ることはないかもしれない だけど それがどうした? 最後は信念を貫いた者が勝つ 現世での 結果なんてたいしたことはないさ・・・(なんてね)

 今日の写真 昼のランチ 例によって時間はないので コンビにで買ったいなりに レッドマスタードを下に引いてみました 丸めて食べたら 疲れた体には美味だった

2 thoughts on “希望の光 ランチはいなり

  1. はじめまして!新潟県のカガヤキ農園と申します。

    日本の農業界は依然として厳しい状況ですが、
    負けずにがんばっていきましょう!

    さていきなりコメントしちゃいましたが、
    もしよければ相互リンクしてください!

    当サイトの情報は下記のとおりです。
    ○サイト名: カガヤキ農園の栽培日記
    ○URL: http://kagayakifarm.com/

    よろしくお願いします!

  2. 畑に出ていると、なぜか消費者とのかかわりや世間での農業のあり方に思いをはせてしまうんですよね。どっぷりつかっているときにはぜんぜん不自然に感じなかった。

    ただただ、自分がこれでいいと思う姿で畑を耕せばいい。それそのものが喜びなんだから。

    少し身を引いた今は、そういう風に思ったりしています。
    どこかで力が入っていたんでしょうね。
    やっとあの時の自分を遠くから見れるようになったようです。

    Blog、とても勉強になるなと思いながら読ませていただいています。応援しています。

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