コラム・百姓から見た世のつれづれ

いのしし被害 農による社会起業のあり方

249a333b.jpg今日の写真 疲れた体に特製自家用カレー(激うま) 1月が終わる 明日から2月 この1月はよく働いた 正月返上で小屋を建て 昨日ようやくハウスを一棟完成させた てことで 疲れがピーク サッカーの決勝見たかったけど 倒れて見れなかった 今朝は午前中寝込んでいて 昼から明日の出荷準備だけをする
 僕の場合 バイオダイナミック農法という ちっとばかり変わったやり方でやっているものだから 何がって 決められたカレンダーでもって 種まきやら植え付けをやっている なので 自分の自由には決められないわけで 普通の有機栽培でも薬使わないので大変なわけだけど それにさらに 輪をかけているということで これがきつい

 理想と現実 昨今 この農法に興味を持つ人がだんだん増えてきて 僕のところに連絡くれたりする人があるけど 実際にやれるかどうかに関しては 知性とかではなくて ひたすら 体力と根性 ガッツがなければ無理 ということを改めて強調しておきたい 

さて 実は昨日発覚したことだけど 先日植えた1発目のじゃがいもベッドのマルチが何者かに踏まれて びりびりになっていた 犯人は イノシシ 昨年から出てきて 足跡を見ると 一匹2匹ではなくて 7頭ぐらいいる てことは この場所に大量にじゃがいも植える予定だけど いったい どうしたもんか ここに芋があるとわかれば 奴らは全部食いつくす
奴らを防ぐ手立ては 何か柵を作るしかないのだけど とりあえずかんれいしゃを張って 畑を囲うぐらいしか実際はできない これは困った・・・・虫や病気はなんとかなるけど 獣は狙われたらどうしようもない 全く 猟友会のおじいちゃんたちは 何をしているんだ という気持ちになる(人を責めても解決せんな)

2011年以降の目標 まずもって 農家として自立すること これはずっと今まで一貫してやってきたこと 作ること そして 売ること すべてにおいて 自立した形を目指してやってきた そして ようやく 農家というレベルでは あともう少しというところまで完成に近づきつつある もちろん 加工や 米作りなどもやっていきたいが それはもう少し先の話で 経営的に安定した状態にまでもっていくには あと 数年はかかる 
 ただ そのあたりは 僕のやりたいことの半分だ 僕の最終目標は何か? と問われたら 社会起業家 という言葉になるだろうか(最近出てきた言葉ですね) 

農 というものを基盤に社会の構造を変える力になりたい と思っている もう誰でもが明白だと思うけど 今の社会ではこれ以上持たない おそらくいろんな分野でそう思い 改革を始めた人が最近ようやく 出てきた感じがする 先日テレビで 保育園を都市に作ろうとする若いNPO法人の起業家が出ていた まだ31歳 すでに 官僚の中にまで入って 保育園に入れない 児童待機の問題を解決すべく 行動していた それを見て 僕は恥ずかしく思った 僕より一回りも若いのに リスクを背負って 行動して 具体的な解決策を見出している 翻って僕はいい歳をして 何をしているんだろう?

 この国の農業がだめになってしまってもう何十年になるだろうか? しかして 何の対策も出てこないし 相変わらず耕作放棄地はうなぎ昇り 農業者以外の人が ようやく警笛を鳴らしはじめた段階なわけだけど 壇上にいる農業というものをよく知る偉い先生方が自分で鍬を握ることはない 
結局 誰かが実際に田舎に行き 放棄された田んぼや畑を そこに住んで 農業をやって生計を立てる という方法以外に これを解決する道はない 
 そして それには 行政も含めて 消費者の助けがなければ解決はしない そうした仕組みを作ろうとしている様子は 今のところまだ誰もやってないようだ こうした仕組みの中心に 田舎をよく知った 農業者がいなくてはそのプロジェクトは立ちゆかない だから 農水省やらの おかみの主導では 現場の百姓がいないから 問題解決とはほど遠い審議会なるものばかりが立ちあげられて 予算だけが食いつくされる これをなんとかしたい と思う それには どこにも 何にも頼らない 自立した農家であることがまず最初の一歩だ
 
 道のりは遠い と思うけど だんだん時代のスピードは日を追って速くなっているのはたしかだ リミットはおそらく 20年ないと感じる 時代のスピードと 自分が足元から積み上げていくこと とが どこで交わることができるのか・・・ 体力 精神力 そして 資金 もうなんでもありあまるほど必要なんだけど 手持ちでやっていくしかない
 

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