今日の写真　先日の朝焼け　畑に行く途中で思わず撮影した　僕の仕事はすべてが天気次第　晴れなのか　曇りなのか　雨なのか　それにより　今日一日のすべての仕事が変わる　そして　その天候というものは　いろんなものを僕ら　百姓に語りかけてくる　時には試練を　時には安らぎを　そして時には　希望と絶望を・・・・天候を見方に付けた者が勝つ　しかし　最後には　僕らはみんな　そこに帰っていくんですね

　で　その同じ日だったか　翌日だったか・・・夕方に僕が一番メインで使っている　大きな畑のある　Ｃ・Ｄ・Ｅ　畑に軽トラで行くと　Ｄ畑のどまん中に　何やら黒いかたまりがいる　うん？　と思って目を凝らすと　なんと！　いのししだ！　いやあー　まじでびっくり・・・まだ　陽が出ている夕方に僕の畑のどまん中にいる　そのＤ畑は冬の白菜用の畑で　まだ本格的に耕してないので　何も作物が植わってなくて　草があるので　たぶんいたんだと思う　
　軽トラの運転席からしばらくじっと見る　向こうは親子連れ　親の脇に２匹いる　距離は約２０メートル　しばし　お互いをじっと見やる　ふいに　踵を返して　山へ入っていった　このところ　特にＤ畑の奥のＥ畑　今年の秋冬の人参なのだけど　これまた凄まじく足跡がついて　踏み荒らされている　ふー　本格的に　畑全面を柵かなんかで囲わねばいけないかな　という感じ　ああ・・・面倒だな　でも　じっとお互いに見やった時には　敵意は感じないんだな
　たぶん　いのししにも立派な言い分はあるんだと思う　今や　農作物の荒らしランキング常に上位を独走する悪者として　いのししが言われるけど　彼らからすれば　人間のやっていることは　むちゃくちゃなんでしょう
　だけど　僕は大事な作物をやられるわけにはいかない　そこは　戦いなんですね・・・・お互い毅然とやりましょう

今日　ラジオで　カン総理が福島県知事に面会して　（原発の中間処理施設と福島県内に作る）といった内容を伝えたらしい　県知事は　呆れて怒りに震えたとの報道があった　そして　原発圏内　２０キロ以内の人にわずか　２時間のみの滞在の許可を与えて　必要なものを持ち出すということが行われて　住民の方のインタビューの声が聞こえた　（もう　ここには住めないんだね・・・）

土地に根差して生きる　－　その意味をどれだけの人が理解しているだろうか？　都内にいてビルに出勤している人にわかるだろうか？（責めているんじゃないです）　つまり　今の時代　ほとんどがパソコンがありネットなどを駆使すれば　特に　その特定の場所に縛られる必要はない仕事が多いのかもしれない　さすれば　別に会社のあるビルがだめになっても　また　別に移動すれば　いいのかもしれない　思い入れもそうはないのかもしれない
　だけれどもだ　その土地に根差し　その土地独特のものを自分が子供のころから　今は亡き　おじいちゃん　親父
そして　自分と　受け継がれた農地があって　それが汚染されたり流されたりしてしまったとしたら　どうだろうか？

僕は　５年前に　農地を失った　そして　農園を一旦閉めて　移転先を探して　この成田にやってきた　その時の気持ちは　誰にもわからない　いや　そう簡単にわかってもらったら困る　と思ってやってきた　そう　こればっかりは経験したものでなければわからない　たかだか　数年やっただけの　僕ですら　そうなのだ　その土地に思いを込めて　魂を一旦込めれば　そう簡単には離れるわけにはいかない　それが　土地に根差すということの意味だ
　その僕でも　福島で土地を追われた人の気持ちはわかるまい　精魂込めた牛たちが　牛舎で紐に縛られたまま　餓死しているのを見た時に　どんな思いだったろうか？　自分の命と共に生きて来た　漁船が無残に打ち上げられた姿を見た時の　漁師の気持ちはどんなだったろうか？　マスコミや報道でどこまで伝わっているだろう？

　農家をやっていた人に　一時支援金かなんかで　以前　現金　１００万が配られていた　は？　桁が間違ってるよね？　それじゃ軽トラ買って終わりじゃん　農地を失い　ビニールハウスを失い　設備やトラクターなどの機械類を失い　最後に　家を失った　１００万って　ガキの使いか？　それじゃ　今の僕ですら　営農は無理だぜ　
　そして　最後に　この国は　第一次産業から　誇りを奪おうとしている　利益すらない世界からそれを奪ってどうする？　今　この国の東日本で　第一次産業に従事する　意味ってなんだろう？　誰か教えてほしい　あ　かんさん答えてくれるかな？　あ　もうやめたんだ　いいね　途中でやめられる仕事って・・・