百姓の詩

不毛な人参潅水 世間はお盆だそうな

8月13人参潅水
左の手のひらに穴が空いているので 仕事がやりにくくてしょうがない 右手一本で出荷など仕事をこなしていたのも事故にあった翌日まで もう 面倒くさくなって痛かろうが仕事が進まないことに嫌気が差して 普通に使うことにした 病院は夕方の4時までしかやってないし 今はお盆で休みだそうな・・・いや 知ったことではない 化膿しないようにせねばだけども こちらは 土をいじる百姓だからね 今は農繁期でそれどころじゃないんだわ
 
 てことで 今日の写真 連日がんがん人参に潅水している 一向に発芽しない 残りはあと一回 来週種を播いたら今年の秋・冬の人参はすべて終了となる 今の時点では ほぼ壊滅状態 もう気持ちは投げやりだ・・・・7月の終わりから まともに ここ成田では雨が降っていない 都内や北関東では何度も雨が降っている 夕立もあるだろうて・・・しかして 成田では山がない 夕立もない ふーむ・・・だから ここらあたりの人参作っている農家はほぼすべて 畑に潅水設備がある 日中どれだけ暑かろうが関係ない 夜にがっつり水やればそりゃ発芽しますわな・・・僕は野菜セット 人参は所詮 その中の1品目に過ぎない 畑に潅水設備を設置するに まあ 150万ってとこでしょうか・・・規模が大きくなるにつれ どうしてこうもお金がかかるのでしょうか農業というのは・・・・昨年の冬はハウスを立てて 今年の春には保冷庫を設置した それだけで 200万近い設備投資だ(店舗はまた別よ)
 お金なんて残る道理がないわな そんなことよりも 破綻するほうが近い いったい自分のやっていることは何でしょうな・・・誰か教えて欲しいまじで・・・

 世間はお盆だそうな・・・僕が住んでいる古い家の裏には お墓がたくさん並んでいる 血走った目で軽トラに積んだタンクに水をせっせと汲んでいると 家の前を きれいな提灯をぶら下げた子供たちや お盆で帰省中の垢抜けた息子さん そして よく見かける農家のおじいちゃん たちが連れ立ってご挨拶していく・・・彼らからは ゆったりとした家庭のぬくもりが流れている 僕にはないものだ おせんこうの匂いがそこかしこに漂っていて なんだか 僕の動きもゆっくりになっていく・・・家族のぬくもり 子供の笑顔 世代を超えた血の繋がり・・・僕が遠ざけてきたものだ 僕が苦手なものだ 一人で畑をやり 一人で夜を過ごす そんな暮らしももうどれだけ過ぎたろうか・・・自分が孤独 だ と感じたことはあまりない 他人や近所の人から見れば かわいそうな人に見えているんでしょう 仲間の有機農家のほとんどは 夫婦単位の若者たちで 彼らは幸せを目指して畑をやっている 僕はそれを目指してはいない ただただ 夜は一人で何の音もしないこの田舎に入ることが一番落ち着く 僕はほとんど何も望んではいなんです ただ 一人で過ごしていく事 それだけなんですな・・・・(しかして雨降らんな・・・どうしてくれようか)
 

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