有機農業

米を作るということ

bd2e6fbc.今日はすっきりと晴れ渡る ようやく朝晩の冷えからは開放されるようだ 農業者にとって4月に怖いのは遅霜 夏野菜をハウスで育苗しているとこの霜がまさに恐怖となる 夕方頃にこりゃ冷えそうだとなれば ぱおぱお(被膜資材)はったり トンネルかぶせたりして 守ってあげる で この成田近辺 引っ越してわかるのは思ったより寒いこと (ああ このあたりは冬はチベットだよ)とは お世話になっている高柳さんのコメント 
 
新天地を探すにあたって まず調べたのは関東近辺の最低温度の分布状況 つまり年間何日0度を下回るかである 気象庁のデータから主だったところを地図に書き込んでいく で 僕のような年中何らかの野菜を 8品目~10品目常に作り切れ目なく出荷するという形態だと 雪がたくさん積もるようなところでは無理 かといって 伊豆の先端のような温暖な場所では草の伸びる速さや 害虫の多さ そして冬野菜の味などを考慮するとこれまた難しい そういう意味で 新天地は茨城県の南部と千葉県の真ん中より上あたり そして 海沿いに近いところだと昨今のハリケーンのような台風で 潮風が内陸に入ってくる それぐらい海岸線からは離れたところ この条件を頭に入れて 探していた

たぶん今後 10年 20年と温暖化で気温が上がるだろうし 少なくとも以前の神奈川よりは寒いところにと決めていたので 成田でよかったと今は思っているが あのぼろぼろ古民家で冬を越せるのかどうか?が 今年の冬の最大のテーマだろう

 さて今日の写真 はい これは先のコメントの主 お世話になっている高柳さんのお米の苗です この時期は田んぼは田植え真っ盛り あちこちで乗用田植え機を積んだトラックが走り回っている これを見てざっと何町部かわかる人はプロですね 高柳さんのところは お米は約4町 畑は2町 合わせて6町をおやりになっている しかもご夫婦二人が主で娘さんや息子さんがたまに手伝う程度 通いの研修生もいるが 戦力としてみると実質二人である
 うーん はっきりいって凄い 凄すぎる この凄さは実際にやっている人にしかわからないだろう しかも当然無農薬栽培 高柳さん 有機農家としてはまさに生き字引のような方
 提携運動のさきがけでもあり 30年前から直接消費者と繋がっていく道を模索してきた
まさに 日本の有機農業の元祖のような方である 

お米を無農薬で作るということの最大の困難は草である 苗を植えて(いわゆる田植え)からの 2ヶ月 これが勝負となる この初期の段階でなんとか草を抑えることに成功すればあとはなんとかなる で これをなんとかするために合鴨とか たにしとか あらゆる農法なりやり方がある だけれども高柳さんに言わせると (まあ どれも一長一短だな)
 決定的な解決策はない 冬季に水をいれておくやり方や 全面紙マルチといった最新のやり方もあるが コスト面や地域によっては無理なところもある
で 高柳さんが大事にしていることがある それは 一番つらい夏の時期に実際に田んぼに入って 草を取るというということである これはもっともつらい作業であり一度やっただけでもほとんどの人は根を上げるだろう 昔の人はずっとこれをやりずっと腰を曲げたまま田んぼの中を這いずりまわったのだった そして今は除草剤が開発され その労苦から解放したのである 

 野菜や米は無農薬しか食べないという選択は立派だしこの時代にコストをかけて健康に留意するのは見上げたものだと思う ただ それがさも当然のことのように思われていたとしたら 間違いです あなたのおいしい無農薬の茶碗一杯のお米は 汗だくで農家が田んぼを這いずり回ってできたものなのだということを 頭の片隅に入れてもらえればうれしいのです(でも押し付けじゃないからね) ああ だから いただきます と手を合わせて食べる前にちゃんと言うことは 大事だよね 

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