田舎暮らし

仕事始め 元旦の記事に思うー希望の灯火ははたして繋がるのか?

164e9a38.1月4 月曜日 世間は今日から仕事初め でもって 我が農園も本格的スタート 今週から早速 種まきが始まる 周囲の畑はがらがら 作付けているのは 僕の畑ぐらいで トンネルが並んでいる これから 春野菜をがんがん作っていきながら 2月に入れば 夏野菜の種まきが始まり 春と夏の野菜が同時に育ち始め がんがん植え付ける怒涛の季節がやってくる 

 1月1 元旦の朝日新聞 一年を占う 力の入った記者の記事に 農業の話も載っていた
その結びの一節はこうだ (日本国民はこれから享受できる富が減少傾向にあることを知っています そこで 富という概念の見直しと 真の富とは何か という問いかけが始まりました 金融資本主義が空虚なばば抜きだったと気付いて貨幣中心に経済活動を考えることをやめ 真の富を形成する方法を探り始めた そして 富の源泉である自然から充分な富を取り出したいと考えることは 人間本来の プリミティブな感覚なのです)・・・・とても 難しく 頭のいい人が立派に述べているのだけど これに続く言葉として だから農業に目を向ける ということになるわけだろうけど 正直 田舎でその農業をやっている 生産者からすると まだその地点なのか!? という感覚だ 

 こうしたマスコミに書かれていることの大半の記事が すべて 都会の人の目線で 生産をしている現場である田舎からのものではない だから すでに田舎ではもう40年も前から 農業 を自ら捨て去って 田舎から農というものを切り離して生計を立てるという準備を着々とこなしてきたという事実に多くの人が気付いていない 都会で働いている人の2世代前に遡れば ほとんどが農業にかかわりがあるわけだけど その足元が見えてこないのは なぜだ? 
都会に生きる人の多くがすでに 田舎というものを幻想の楽園としてしか見ていない という事実に 僕ら農業者はどう対応すればいいのだろう 昨年2009年一年の間に 何世帯の農家が農業をやめて 畑や田んぼを手放したのか そして 何人が病や怪我などで やめざるをえなかったのか そして 何人の百姓が自ら命を絶ったのか・・・新規就農を即す雑誌にはそのデータは載っているのか?あるいは載せないべきなのか? 

 都市ー農村 この間には 目に見えないたくさんの壁が広がっているけど 日本の田舎を真に豊にするのに 何をしたらいいのか? を そろそろちゃんと話しませんか? 僕ら新規就農者は 最前線でたくさんの仲間と共に 戦っています いつでもそうした真剣な話し合いの場がもたらされることに 門戸を開いているつもりです イベントで大きな音楽で踊るのもいいけど 音量落として 畑や田んぼ じべたに坐って 事実から話を始めてみませんか? いまだ 希望は 僕ら百姓一人一人の心の中にしかなく 形にはなっていません 
それを ろうそくの火を灯すように 多くの人へ 繋いでいくことができるのかどうか? そこに この国のひとつの将来がかかっていると思います 今日の写真 元旦に澄み渡った畑全景 

2 thoughts on “仕事始め 元旦の記事に思うー希望の灯火ははたして繋がるのか?

  1. 甲野善紀氏とも対談している解剖学者(元? 思想家?)の養老孟司氏は、都会と田舎の対比で、すでに田舎も都会化していると述べています。養老氏のいう都会とは、「ああなればこうなる」というように、脳に支配され、想定以上のことは起こらない場所です。自殺の話にも関連してきますが、失敗や挫折をすれば、本人が悪いとなり、逃げ場はまったくありません。
    いつも弓木野さんのブログを読んで、「まったくそのとおり」と拍手を送っています。都会に住んで、わかったふりをして、野菜を宅配してもらっている自分自身が時々、嫌になります。 

  2. >ルッコラ大好き 様
     いつもお世話になっております いえ 大変 恐縮です このように偉そうにしている僕自身 都会にも溶け込めず 田舎で百姓をしていても浮いている どっちつかずの半端ものです
     ただ だからこそ どちらの気持もよくわかるのかな と思います たぶん 日本は 都会も田舎も ひとつの方向性を持って 着実に生態系を崩壊させる役割を担ってきたのだと思います 地球環境がどう と言う前に たぶん この国は内部から崩壊するでしょうね・・・・

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