有機農業

寒い 段ボール 口蹄疫が示すたくさんの教訓

077c5af2.JPGいやはや 朝から寒い もう6月になるというにこの寒さ そのせいかズッキーニに実がつかない ハウスの裾を降ろそうかと思うぐらいで まったくもって困ったもんだ 畑にいる夏野菜はこんなとき どう思っているのだろう(ひょっとして俺たち畑デビュー早すぎ?とか・・) そのせいか 今年は蝶が少ない 例年だと 生育中の人参やら ばくばく葉っぱ食べられるのだけど 今年は一切ない ふーむ 蝶よどこ行った? 今日の写真 きれいな葉脈
 
 先日段ボールを頼んでいる営業マンが 嘆いていた 4月の天候不順で 取引きしている大口の農産物関係が 軒並み注文がダウンしたそうな このあたりだと銚子キャベツ 富里のメロンやスイカなど 今生育中の状態を見ながら 段ボール箱の注文が前倒しでくるそうなのだけど 例年に比べ 2割ほどダウン 折からの不況でただでさえ 注文が減っているのに・・・とのこと うーむ 単品でやっていれば 天候の影響はもろに出る もちろん僕のような少量多品種でも 条件は同じく 天候の影響は受けるけど 販売形態が違う 価格の変動も一切ない ゆえに 売り上げが大幅に増えることもなく 減ることもない でも その分 お盆正月関係なく ずっと年中働いて お野菜を出荷し続けねばならない どちらにしても メリットデメリット それぞれあるわけです 

 さて 例の宮崎の口蹄疫 最終的には30万頭の処分らしい・・・なんというか これは一種の崩壊だろう そして 一般の人も驚いたと思うけど 僕も驚いたことがある それは 種牛の数の少なさ・・・エース級と呼ばれるものは たった6頭 そして 今回のような事態になったときに それがあだとなってしまった 日本の農産物は 品質が厳しく問われて 安定させねばならない それゆえ 多様性ではなくて 高いレベルで均一なものが求められる 同じものは お茶の世界でもある ○○ブレンドと呼ばれるものは すべてが クローン お茶は本来 樹木だけど お茶っぱを収穫する低木のものは すべてが枝から作られる そして 僕ら 野菜にあてはめると それは 種の問題にあたる・・・

 無農薬で作っている 有機農家のほとんどが使っている野菜の種はF1 つまり毎年種を購入している ゆえに なんらかの事情で海外から種が入らない状態になれば 僕らは終わり・・・もちろん 慣行農家も同じ運命 日本に種の原種は少なく 自家採取をせよ といって できる農家はほとんどいないだろうし 慣行農家はそうなればすべて白旗 わずかに頑張っている 有機農家ですら 営農は無理だろう こう考えてみると やはり 第1次産業が持っている リスクというのは大きい 何かあったときには 個別に対処できるものではない それゆえに 農家ー農協や自治体ー農水省・政府 とそれぞれに普段から進む方向や考え方などを 密にしておくことが大事だと思うけど 宮崎の対応など見れば 一目了然 それぞれがばらばらで 現場にすべてのしわ寄せがいく 宮崎で起きたことを 今後それぞれの1次産業の業界で 一つの礎とする必要があると思うけど そうした動きはまだ 見えてこないよな・・・いったい この国が 今後 農業というものを(第一次産業というものを)本当に大事なんだと思える時が果たして歴史上来るもんだろうかね・・・(あと100年ぐらい?)

 

2 thoughts on “寒い 段ボール 口蹄疫が示すたくさんの教訓

  1. 模様を眺めながら、ある人は非難さえしながら、みんなが宮崎に注目している。
    体のいいシミュレーションにされているわけですが、身動きとれない社会で、教訓を教訓として生かせられるのでしょうか。
    種雄牛は、宮崎県有のエース級は6頭ですが、全県・公的事業所・民間、しのぎを削って作り合っています。
    更に言えば、黒毛和牛の場合、品種ではなく系統に過ぎません。
    だから品質を固定化させるのが至難の業なのです。
    「エース」も、基本的に一代でおしまい。
    6頭を作るのに、どれだけの資金と労力が投入されてきたか、どれだけの貢献があったか。

  2. >そうでしたか 大変な苦労の上にあの6頭はあったのですね そうした農業者が知っている価値をしっかりと 評価するしくみが大事ですね ご教授ありがとうございます

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA