コラム・百姓から見た世のつれづれ

きれいなチラシ 2トンの運転 この国の抱えるひとつの悲劇

0734fd53.さて 今日の写真 我が農園WEB担当(なんと今はベトナムにいる) 林氏より大量のチラシが届く ネットで注文して 折り加工もしてくれて両面カラーで凄くきれい 1000枚で 1万かからない うん 今までは イベントがあるごとに コンビに行ってコピーしたり手間かけてたけど これで がんがん配れる 来年はやるのだ!(毎年同じ)

 さて 今日は恒例土曜日 新規就農希望の二人がやってくる 今年最後のお手伝い 二人には がんがん種まきやら トンネル張りやら 大根の間引きなど フルに手伝ってもらう 午後からは キノコ堆肥を取りに 千葉北総を巡る旅に Tさんを連れ出す Tさん 僕の畑に出入りして 具体的な就農のイメージが出来てきつつある 新規就農といえば 当然 野菜なら野菜という農産物を作って 売るわけだけど 当初はどうしても 野菜を作ることばかりに 目が行き勝ち でも 実際には 野菜を作るということは 全体の半分ぐらいでしかない 同じぐらい 野菜を売る ということが 大事だし いろんな技術や知識や勘が必要になる ちなみに 今回 堆肥を取りにいく という一見簡単そうなことでも 実は なかなか奥が深い (2トントラックは運転できますか?) と Tさんに聞く (残念ながら・・・) 農業をやるならば 2トンぐらいは運転できないといけない そして その扱い方 フォークリフトや ユンボ-などなど 運転できたら尚いいものは山ほどある 2トントラックに山ほど 満載して それを畑にがばーっと開けるのだけど これまた 畑のどこに置くのか 撒く時に楽なのは? など 考える細かいことはたくさんある Tさんも だんだん いろんなことが 見えてきて そのうち いろんなひらめきがあると思う 自分なりの 新規就農というものが 見えてきたら 幸いです

 さて この国の抱える問題のひとつに 自殺者の増加 というものがある そして 近年 その深刻な数字を見るたびに じんわりと迫る 恐怖のようなものを感じているのは 僕だけじゃないはずだ 正確なところはあれだけど 先進国の中で だんとつに多い アメリカの2倍 イギリス・フランスの3倍である 最終的に出るデータから推察すると その自殺予備軍は 10倍いるとすると 年間 30万人が なんらかの形で それを実行しようとしているということになる さらには 20代~30代も 突出して多いのも 日本の特徴だ みなさんは この問題をどう思いますか?

 こうした問題を扱うのに 最も大事なことは ひとごとのようや評論など何の意味もないということだ すでに これは その人個人の問題ではなくて 社会の問題だとした時に それは とりもなおさず 社会を構成している僕の問題であり あなたの問題だということだ 僕ら 大人一人一人に 責任がある 

 もし 今の日本の社会が それほどまでに 生きにくい としたら 僕からの提言は (もうやめませんか?)ということだ ドロップアウトしてみませんか? ということだ
かたくなに 守っている 肩書きやら お金のことや さらには 自分自身のこと その他もろもろ・・・
そして 農業をやってみませんか? とまでは言わないけど なんらかの形で 農的 なことが ひとつの突破口になるのではないですか? と 言いたいのです 職業としての 農業は 厳しいのは 僕が一番知っている だから あまり勧めません ただ 小さい菜園で野菜を作ったり 田舎みたいなところで とりあえず お茶すすったり なんらかの 農的 なところを 体験することによって (ああ もうやめてもいいのかな?)と 思えることもあるかもしれません そして これは いわゆる 田舎暮らしブームや 自給自足 といった 狭い範囲での 都会の人の都合のいい逃げ道ではなくて 本格的に 人としての ありようも含めた 暮らしそのものにまで拡げて考えることができるのではないのか? と思います  
 ですので 国の方針として しっかりとした そうした自殺予防を含めた予算なりを サポートする団体やらグループなりが 統括して 僕らのような 田舎で生きている農業者と協力して そうした予備軍の人たちが集まれる 拠点のようなものを作ることができたとすれば 効果はあるのではないでしょうか? もちろん 簡単ではないと思いますし 自分が畑に追われながら どんなことができるかは未知数ですが 今の 自分が 具体的にできるとすれば そうしたやり方しかないかな と思った次第です なんにせよ 人が自ら希望を捨てていくとして その社会にいったい 何の意味がある? 

3 thoughts on “きれいなチラシ 2トンの運転 この国の抱えるひとつの悲劇

  1. こせがれで何度かお会いさせていただいております水木@りんご屋です。
    鬱投薬治療中です。

    自殺者がこれほど多いのは過大な精神負荷を発生させる社会、家庭構造・精神疾患に対する社会の認知度の低さ・自殺予備軍に対するサポート、医療体制の不足・薬物に頼った治療体制・薬物の副作用等が原因としてあげられます。

    農的なものの活用は園芸療法というものがありその効能の活用はありかもしれませんが、対処療法の一つという事に位置するように思います。

    農村に住み、農業を行っている私ですら結構重めの鬱の領域まで突入しています。農業県である秋田・青森が自殺利ワーストを常に独占している事からも農的なものの活用よりも結局のところ、借金や家族・仕事といった根本的な原因を解決しなくては自殺を予防しQOLの向上には至らない。と思われます。

    まずは生き地獄に居る予備軍の確保・
    治療を最優先に、リハビリに農的な部分の活用。というのが宜しいのではと。

    その為には精神疾患に対する正しい知識を多くの方に持っていただく事が必要。と思うところです。

  2. >みずき 様
     大変ご無沙汰しております そうですね おしゃるとおり 個別に具体的に抱えていらっしゃる問題というものに対しては たぶん 何らの力にもなれないでしょう ただ どうでしょうか? あくまでも 社会全体の問題として やんわりとサポートする体制なりが整えば 個人で苦しんでいるだけの状況からは 抜け出す雰囲気だけでもできるような気がします 治療を最優先に・・・というのは そのとおりですね まず 事実を知るところから始めねばですね そして あくまでも 農村というものが こころの落ち着く場所として 機能 するには もっと 農業というものが認められて 産業としても 日本人が帰っていくふるさと という意味でも 尊重されねばならないと思います もう 失われてしまった 田舎のやわらかなコミュニティが再生することがあるならば それは いろんな意味で日本人が抱える ストレスの脱却に 貢献できるのでは と思います
    個人的に つっこんでお話したことはありませんが 貴殿は 東北の農業の星 に見えました
    お若いのに(失礼)背筋に一本入った感じは 男として 素敵です
    関東と東北では その農業の抱える問題の質などは 違うでしょうけれども これもまたひとつの運命 僕になにができるわけもありませんが 共に 歩んで参りましょう(こっちははげ坊主なんで髪ちょーうらやましいっす) 

  3. 例えば、自殺予防活動や社会福祉活動をしているNPOとの連携等でおっしゃるようなこころの落ち着く場所としての機能を発揮する事ができるようになるのではないかと思います。特定の宗教観を伴った農的な生き方は昨今の道徳なき経済社会へのアンチテーゼとなりえる筈です。余裕が無い今の農業はモノを生産する事に偏りすぎていて、その辺までたどり着く事が難しいです。ストレス多き社会の対極としての選択肢になるには相当な工夫・努力が必要になるかとは思いますが、それを理解し行う事は今後重要になっていくものと思います。

    因みに僕はかなりダメな奴で、今年はそれを嫌と言うほど思い知ったので今後改善して行きたいと思ってます。
    モノを言うだけなら誰でも出来ます。
    結果出さないとね(苦笑

    >共に 歩んで参りましょう

    是非に。

    >髪ちょーうらやましいっす

    散発に行く時間も金も確保出来ないので、長くしてごまかす事を前提に年1回ぐらいパーマ当てるていうのがホントの所(苦笑

みずき へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA