４月第３週「旬の有機野菜セット」～香草出荷編

じゃがいも（きたあかり）　春大根　キャベツ　白菜とう立ち菜　ゴボウ　かき菜　グリーンマスタード　コリアンダー（パクチー）

　さて　じゃがいもがもう最後であと１週間持つかどうか　最後の方なので球が小さいです
白菜とう立ち菜がてんこもり　そして　今週は　グリーンマスタードに　コリアンダーと変わり種葉物が入りました　コリアンダー　収穫中も出荷中も　香りがかなりありますので
いつもの葉物袋に新聞紙でくるんで　他の野菜につかないようにしました
どうぞ　いろんな料理で楽しんでくださいませ　でもって　今日の写真は　来週出荷予定の　ルッコラの花芽です　来週はこのコリアンダーにルッコラの花芽と　おしゃれなお野菜セットになる予定です

　さて　震災から１カ月経った　この１カ月でたくさんのことが変わった　多くの人が亡くなり　その後もつらい思いをしている被害を受けられている方　そして　原発の問題は今だ終息せず　レベル７という最悪の段階だそうな・・・
実は　今日気づいた　今回のことで　僕は自分で思っている以上に　頭にきてるということを・・・　４年前　畑がなくなり　農園を一旦閉めて　すべてを最初からやりなおすために成田に来た　お客さんがぼちぼち増えてきて　さあこれからという時だった　それからこうしてまた４年　なんとか復活して　ようやく軌道に乗り始めて今年はいよいよ本格的に設備投資を・・と思った矢先のこの出来事　予定した計画を白紙に戻すことになった
　４年毎に　こうしてなぜ試練が訪れるのか・・・国や公的なものに　邪魔されることはあってもけっして助けてはくれないと覚悟して　農業をやってきたけど　ここまでとは・・・
俺が何をした？
農作業をしていて　最後のあとひと押しが出ないな　なぜだろう？と　ここ最近自分を見ていて　今日気づいた　そう　僕ははらわたが煮えくり返っているんだ　ま　なんとか前向きに考えたりしてきたけど　今日　正直にそう認めよう　と思う　僕は聖者でもなく　偽善者でもない　単なる百姓だ

　連日　お野菜のキャンセルの連絡が来て（今までありがとうございました）と返事を返すのが　苦痛だった　怒りのエネルギーを抑えるのに苦労して疲れた　漁船が流されてしまい　漁業をやりたくてもできない漁師さんの気持ちに比べたら　僕は天国にいるんだろう
しかし　この人災とも言える原発の問題には　なかなか冷静ではいられない　もちろん　お野菜の出荷はきちんとやるし　畑もちゃんと作付けるけど　怒りの下に眠る　その感情は虚しさ　だ　こうした状況になって　ああなるほど・・では　こう対処してこうすれば適応できるかな　と　すぐさま切り替えられるほど　僕は器用でもないし　そんな簡単には気持ちを持っていけない　自分なりに野菜の安全・安心　というところに　命を賭けてやってきたつもりだけど　肝心のお客様から　断られてしまう　というこの恥辱・・・ひょっとして　俺がやっていることは　何の価値もない　大海にこの葉で乗り出すような無謀な意味のないことなのか？　と　さえ思える時もあるけど　そこは　本当に僕を支えてくれる　お客様がいらっして　このときとばかりに　お野菜の頻度を増やしてくれたり　いろんなものを送ってくれたり　本当に　こうした素晴らしいお客様だけが　今の僕をひたすら支える唯一の柱と言っていい　

　こんな時にでも　自分のことばかり考えてしまうこと自体が恥ずかしいことだとは思うけど　今はもう　本当に自分のことで　手一杯だ　ひと月経って　ようやく　感情の行く先が見えてきて　この怒り　悲しみ　そして　虚しさ・・・何だろう　今は　大きなコンサート会場にでも行って　素敵なオーケストラをひたすら聞いていたい気分だ　たぶん　それは僕だけじゃないだろうな　とっても安いチケットで　美しいバイオリンの音を聞けたりできないものかね　でも　農繁期だし　長靴じゃだめか・・・
　僕の敬愛する　アーチストの歌詞　題名は　詩人の鐘　僕のような弱き者に鐘を鳴らそう

　鐘が鳴ってる　約束の地に　打ち上げられた罪を知る者に
　鐘が鳴ってる　聖者のように　魂の声を聞く者に
　鐘が鳴ってる　非武装の地を　争うことなく追われる者に
　鐘が鳴ってる　天使のように　愛おしい人を導く者に
　鐘が鳴ってる　欲望の地で誇りと理想に生きる者に
　鐘が鳴ってる　詩人のように　傷ついた心　いたわる者に
　輝いてる　清く　強く