新規就農

大根抜く その美しさと畑を離れることの成功とは・・・・

12月22大根抜く
もうこの時期は朝になると 畑は真っ白 それこそ霜柱ならぬ 氷の柱が大地を覆う なので 出荷作業というのは 葉物系以外の根菜類は 前日の夕方に収穫します それが 今日の写真です 大根畑にて 研修生Aさんが 力を込めて大根抜いているのを 遠景で撮影しました 落ちていく夕日 畑は静寂に包まれて 誰もいないわけだけど 野菜たちは 饒舌です 冬の旬 という彼らの独壇場のステージで 僕らは大根1本抜くたびに なんともいえない満足感に浸ります・・・

 12月のお試しセットの申し込みは わずか3軒・・・今までの最低記録を更新してしまいました 神奈川でこの商売を始めて以来 ずっとネットというものと付き合い始めて ちょっとずつちょっとずつ 売り上げを伸ばしてきました 農園移転や 3・11という未曾有の試練はあったものの なんとか それでも乗り越えて 右肩上がりを維持してきました しかして ここ1~2年 ネットというものは 僕の予想よりもはるか先に行ってしまって 各種SNSなどに足場を移していき 僕は取り残されてしまいました・・・それが この結果です 昔は 少なくとも毎月10軒以上 多いときは 20~30軒のお申し込みがありましたが ここ数年になってから もうなくなりました 業態変更・・・いまさらながら 農業の販売の形を変えねばならない状況なんでしょう しかして そう簡単にはいきませんわな・・・
 今後は どのようにして この旬の宅配セット というものを売っていけばいいのでしょうか 皆目わからない感じです 今年は映画を作っていただいて それを基に上映会&トークイベント というものを仕掛けてみましたが結果は惨敗 ああしたものは 本人にネームバリューがなければ意味がないようです(そして僕のトークや表現も未熟なせいで観客にアピールできませんでした不徳) 野菜を作る 安定して作る ということの土台はここ数年 かなり上がりました どんどん畑を広げて 余裕をもって 作付けができるようになりました 技術的にも 土作りも安定してきました しかして 今度は 逆に 販売というものが 読めなくなりました 有機農業 という 安全神話 それは本当にもろくて 砂上の楼閣だったのですね・・ 残念なことに すでに 有機野菜 というものの牙城は崩れ去りました 現実にはもう何のメリットもありません(マーケットはそう判断しています) そうした状況の中で 今後 どうすればいいのか・・正直 僕の中には答えはありません ただ 変わらず畑をやり 野菜が売れないのならば 自分で売る場所を作ろう 自分から出かけていって 自分の野菜の美味さをわかってもらうために カフェを作って そこを紹介の場所にしよう 今はそれしか突破口が浮かびません・・・・

 有機農業の仲間ともよく話しますが 農業の成功 というのは 現場を離れる事なのですね 現場である畑といううものと 永遠に付き合っていて そこだけにしがみついていては 成功は訪れません  なんらかの形で 現場である 畑や田んぼを離れる事 法人を立ち上げて会社組織にしたり 加工に中心を移したり ネクタイを締めて 営業に回り売り込んだり ・・・そうした努力ややり方はすべて 畑を離れる事で生まれます そこには ある種の器用さというか 割り切りというか 何らかのモードを変えていく術が求められます そして 僕はそれが うまくできません(できたらばとっくに成功しているさ) もともと 社会不適格な人間ですので だからこそ この誰も見向きもしない業界にいられたことは 僕にとっては幸せなことでした しかして 押し寄せる世界の荒波は この業界にもやってきて 今や 安住の有機農業などと言う世界はなくなりました ライバルは山ほど 年々新たに 新規就農する目をきらきらさせている若者たちは 7割ちかくが なぜか有機農業を始めるのですね・・・・
今はまだ 多少なりとも 僕にアドバンテージが残っていますが あと数年でしょうか・・・カフェを成功させて 飲食店展開を軌道に乗せねば 我が農園はあとがないでしょう・・・

 この写真にあるように 朝 そして 夕には畑は姿を変えて 美しいのです 大根を抜くと 大地の香りと 大根の清らかな匂いが合い間って 胸がいっぱいになります これをどう維持するのか 畑をやる 野菜を作る これを維持していくにはどうすればいいのか その答えが畑を出ねばならんとするならば 俺はどうしたらいいもんかね?

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