今日の写真　オクラの種を播きなおしました・・・うーむ　我が農園の場合　年間１００種類ぐらい細かい品種を入れれば作っているので　一つの野菜にかけられる作業の時間数と言うのは　とても短い　ありとあらゆる作業が押し迫る中　種まきなどは　１発で発芽してくれないと困るわけです　しかして　そうは簡単にはいきませんわな
失敗した事も考慮して　こうして２度目の種まきをするのですな・・・・そんなときは　なぜ失敗したのか　を毎回　じっと考えて　今後の課題としていきます　なぜ　失敗するのか？　その理由は誰も教えてくれません　自分の体験から　自分の手で直接触れて　感じて　推測していくしかありません　そして　その経験が　最後には一番大切な百姓としての智慧になっていくのですね・・・

　ハウス４棟　１００万×４＝４００万　作業用ハウス（ミニ）　３０万　中古トラクター（クボタ２５馬力～）　１００万
井戸掘り費用電気敷設　１３０万　マルチ巻取り機　４０万　業務用冷蔵庫　２０万　中古管理機マルチャー　３０万
　合計　７５０万円・・・・今後　我が農園が設備投資をする概算の金額です（今借りている家や農地の代金は永遠に払い続けるのですねそれは含まれておりません）　有機農業の世界に入って１５年あまり・・・とにもかくにも農業資材を買い漁った日々でした（つぎこんだ金額はたぶん１０００は越えていると思います）　農業というのは　何よりも　機械や道具・資材がたくさん必要になります　それがなければ野菜はできません　祈り　と　愛情だけでは　野菜は出来ないのですね　我が農園は　今後　ようやく本格的な設備投資をする段階にきました　たぶん　今後１０年をかけて　先のものをそろえていきます・・・・そして　思うのですね　普通の農家ならば　後を継げば　おそらく自動的にすでに備わっているものです　それを　新規就農した僕は　何もないゼロから買い揃えていかねばなりません　そして　６０才を過ぎたころに　ようやく普通の農家が持っているレベルに達するのですね・・・
　別の角度から見れば　まったくの無駄な行為だと思います　すでに全部揃っていて　償却が終わっている普通の農家が　農業を辞めていきます　何も持っていない新規就農の僕は　これから　それをそろえねばなりません　２０年以上をかけて　そうした設備投資をして　最後に何が残るのか　それは　年老いた　百姓が残るだけのことです・・・お金などもちろん残るわけはありません　僕がやっていることは　そういうことなのです

　生きる事の何に価値を見出すのか・・・それは人それぞれでしょう　僕がやっていることは　ビジネスでもなければ商売でもなく　趣味でもありません　ただ　百姓として生きながらえていく事　それができる喜びだけを望むこと　最後の瞬間まで　畑を維持できれば勝ち　それが僕のゲームです　そして　今考えていることは　さらに先　将来　僕があの世に旅立ったときに　たぶん　農地は１０ヘクタール以上はあるでしょう　先の設備やらトラクターやらたくさん残っているでしょう　それはどうなるのか？　（死んだあとのことは知ったこっちゃないよ！）　そう　若いときはそう考えていましたが　さすがに　それは無責任でしょう・・・こうして　成田の田舎の農地を借りて　地主さんはじめお世話になって　農園をやれています　それを　残さねばなりません　そして　それは簡単ではありません・・・
　地域活性　ふるさと創生　美辞麗句な言葉が昨今並びますが　実際には　僕のような新規就農者ができることなど　せいぜい　今借りている畑を未来永劫借り続ける仕組みを残せるかどうかなのです　

　カフェの準備に連日追われています・・・畑はがんがん農繁期で一人で手が回らない　夏にはオープンします
さらに時間がなくなるでしょう　全ては　畑を安定してやれる環境を作るためです　常に時間はなく　資金もなく　体力は落ちていく一方・・・（もう　風の音も　世界が軋む声も　刹那の河深くに沈めて　今日一日をひたすら・・・ひたすら・・・乗り越えるだけ）