今日の写真　出荷の始まったインゲンのアーチ　さてインゲン取るべか　と思ってアーチをくぐるとすでに先客が・・・うーむ　実はこの先にももう１匹　いやだから寝てないでお前ら出荷手伝えって・・・インゲンもいでくれよ

　たしか　僕が大学を卒業するころだと思うのだけども　就職活動なるものがどんなものなのか　水商売をずっとうやっていて世間からずれていたこともあり　すでに留年も３年目になり　大学に誰も知り合いもいなくてどうしたもんかと思っていたころに就職雑誌かなんかで見かけた記事だと思う　某電機メーカー　の偉い人が　（うちの会社は変わっていましてね　会社の方針に従わない人物や　反対意見を平気で言う人を重宝するような風潮がございましてね・・・）　といったコメントが載っていて　アホかと思った　それは　黒字だからだろ　赤字になってそんなのん気なことが言えるわけがないさ　とその時思ったのを覚えている　（そう　今その会社は大リストラを行っても風前の灯と言われるようになった会社だ）
　黒字であること・・・・物事を前に進めていくうえでとても大事なことだ　僕が新規就農を希望する人に尋ねる質問は基本二つ　何を作るのですか？そして　どこに売るのですか？　だ　車の販売をする会社を作ろうとしたとする　その扱う車が　フェラーリなのか　軽トラっくなのか　作り方も買う層も全然違うということは誰でもわかると思う・・しかして　しかしてだ　新規就農をして　プロになりたい　という人のほとんどが　その先のふたつの質問に明確に答えている人はあまりいない　（はい　基本有機で野菜を・・・・はい　レストランや直売で・・・）　有機野菜の市場は　わずか　０・１７パーセント　有機で農産物を作った瞬間　市場性を失うわけです　そして　レストラン・・・一度でもいい　実際に都内の営業しているレストランに行って　そのオーナーでもシェフでもいい　有機野菜を使っていますか　今後使う予定はありますか　と聞いてみればいい　恐ろしいほど反応は薄いはずだ　そして　よしんば前向きだとして　ズッキーニこのサイズで３本　とかの注文に対応できますか　そして　利益は出せますか　ということなわけです・・・・（ましてやまともに売り物になる野菜を作れるようになるのに何年かかると思います？）
　
　こんな人ならば僕は大賛成いたします・・・（ええ　実はゲーム系の会社を数年前に作りまして　今度上場するのですが　その株の配当で　２億までは好きに使えそうなんです　なので　まあ　最初は農業は素人ですから　肥料もいらず簡単と聞いている　さつまいも　なんかで普通に薬使って栽培して　数年は様子を見ながら　めどが付いたらば　有機を勉強して実際に栽培して　そうしながら　農地の確保や　設備投資　拠点作りも平行に行い　都内でのレストランも立ち上げ　都市ー畑　をつなぐツアーなどの企画も構想して・・・・つきましては　栽培もそうですが　そうした事業の進め方など　百姓農園さんのアドバイスなどを拝聴したく・・・・・）　もう　その話の途中で　僕は必死の力でその人を抱きしめて離しませんわな・・・（この際　性転換でもなんでもして　その人の嫁になろうかぐらいするかも・・・この際　下半身のひとつやふたつ・・・いやいや失礼いたしました・・・）
　もちろん　僕は何の展望もありませんでした　でも　たぶんいけるだろうと思っていました　そしてなんとかなったわけですが　それは　単に運が良かった事と　お客様に助けられたということだけです　僕の実力など知れています　しかして　今後　これだけ有機農家が多くなった今の時代では　通用しないでしょう　すでに　ご注文いただくほとんどのお客様は　複数のところから有機野菜を購入して　一番自分にあったところを選んでいます
　競争が始まっているのです　淘汰がとうの昔に始まっています　生き残るには　生半可では無理です　それが　有機農業　という業界です　そうした現実を踏まえた上でどうするのか？　いまや　２０代　３０代の若手農家は　ずっと先を見ています　優秀な農家は凄いのですよ　たぶん　数年先には　火星での栽培も意識しているかもしれません（ちょっと嘘）　しかして　それぐらいのスピードで今は　物事が進んでおります　僕はもう　必死　というよりも　ひたすらに　自分にできること　自分にしかできないものをやっていく以外に方法はありません

　先の大手電機メーカーに就職したらば勝ち組と言われた僕の時代　２０年もすればすべてが変わる　２０年後　有機農業はどうなっているんでしょうね・・・ヒルズ族が有機農業から生まれるのか・・・まあ　僕は相変わらず　車椅子かもしれないけど　畑はいずり回っているんんでしょうな・・・ああ　いやだいやだ・・