新規就農

無題

今日の夕方遅く 人参の潅水を終えての帰り道 いつもお世話になっている地主のMさんのご自宅の前を通ると
あの大きな白と黒の花で飾られたモノが家の前に大きく掲げられていた 驚いて よく見ると どうやら おばあちゃんが亡くなられた様だ ああ・・・・そうだったんだ 月に一度 お野菜を買っていただいていて よくおばあちゃんに渡していたのだけども いつのころからか 家におられなくなった 足が随分と悪いようだったので たぶん 入院されたのかな とか思っていた・・・・軽トラを運転しながら 少し思い出に浸る 

 僕は成田に来て10年 いつもお世話になっている高柳家さんや 一番畑を借りているこのMさん 新規就農というのは どうしたって 誰かの何かのお世話にならなければやっていけない 信条としては 誰にも貸しも借りも作りたくない そう思って生きているわけだけども だからといって そんなわけにはいかない というのは 歳を取れば取るほど 痛いほどわかるわけですな 結局のところ 誰かのお世話になっていくわけです・・・
 そして 基本 一人でだいたいのことをやってきたわけども そんなときに ふと 亡くなられたこのおばあちゃんのように 僕が畑をやっていることを褒めてくれて 暖かく接してくれる数少ない場面に遭遇すると 無性に 心が和むんですな  毎日が戦いのような暮らしの中でも 毎回 おばあちゃんに会うたびに 僕は 救われた気分にさせていただいたのです 

 自宅の奥の方から背中を丸めて よちよちとかわいい感じで歩いて出てこられたおばあちゃん・・・・僕は忘れる事はないでしょう
夜遅くなり 些少の香典を握り締めて ご自宅に伺う (この度はご愁傷様でございました おばあちゃんにはとてもお世話になりまして 本当に・・・)と きちんとご挨拶しようと思ったけど その後は 涙が溢れてきてしまい 言葉になりませんでした・・
人は亡くなった後 周囲にいろんなものを残していく それがたくさんのいいものであれば その方は素晴らしかったということでしょう・・・ご冥福をお祈りいたします・・・合掌

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