今日の写真 畑は一面の銀世界 道路などはもう普通に車が通れるぐらいに溶けているけども 畑はまったく溶けない しばらくは畑に入れない 今日から じゃがいもを植えつける予定だったけども とても無理・・・こうして 最初から 計画は崩れていく 有機農業というものは プラスになることはほとんどない仕事だ キャベツ一個植えたら それが デリバティブがごとく ビットコインがごとく 急騰して 100個にはならない 当然のように キャベツ一個が一個になる それが すでに奇跡でもある なので 基本的に こうして マイナスにぶれていくわけですな その中で 日々 半紙一枚を愚直に重ねていく仕事だ 精神修行をしたい なんらかの秘儀を身につけたい ということであれば チベットやインドに行くのもいいが この日本という国で是非 有機農業をやってもらいたい 苦しみ のた打ち回り 食べていくのもやっと という世界の中で あなた自身を見つめることになるだろう・・・出荷する予定だった 三浦大根をすべて廃棄する 生かせなくてすまない
生態系には 幸せも不幸もない ポジティブもネガティブもない 生態系にあるのは 生命のたゆまなき進化だ そしてそこでは 生も死も同義である 同じ価値である そして 人間はまったくその世界に気づいてはいないけど その中に組み込まれているのですな・・・今回の大雪は 自然の摂理です 成田にやってきて以来一番の大雪でした 一面の銀世界を見ていると なんと美しいことだろうか と思います でも 百姓である僕は (あちゃーこれいつになったら畑仕事できるんだろうか?)と頭を抱えているのも事実です 人間の社会では この雪を許さない この雪で会社に行けなかった人 家に帰れなかった人の多くは なぜ雪なんて降るんだろう? 俺には全く必要がない と思うのかもしれません・・・同じように 商品が雪に被ることを許さない 野菜を出荷できないことを許容しない 24時間オンタイムで有機野菜を届けねばいけない それが 平成30年に生きる有機農家の宿命です
生態系ー社会 との狭間で 揺れ動く存在と言えば かっこいいのですが そんなものではありません その中で いろんなことをあきらめ むなしさを感じ続け 今日も 半紙一枚を重ねていきます またすぐに そんなものは風に飛ばされていくと知っていたとしても・・・
TV取材の依頼が来る いやいや・・・凄いね こちらの状況を全く考慮しませんな(畑は全部雪に埋もれているっつーの) はは ロケの期限が明後日金曜日までだって・・・これ 対応できる農家なんているんでしょうか? 断りの返事をする必要性さえ感じないごり押しというか 脅迫に近いこの対応 TVは神なのか? 悪いけど俺は反逆者なのさ・・・許しておくれ
さて こうして火曜日・金曜日には何があろうとも出荷をする ということをやっているわけだけども 4年振りに途切れたわけです やはり モチベーションはがた落ち 俺のせいではない とかは関係ありません 運も実力なのです しかして いつになったら 畑の雪は溶けるんだろうか?・・・・