田舎暮らし

じゃがいも植え 田舎における農の道

2265798a.今日の写真 さてとうとうやって参りました じゃがいもの植付け これが始まると忙しい一年が始まるという気がします(すでに忙しいが・・) もう少し早くやりたかったけど 例によってばたばたしていて ここまで遅くなりました これは一本目の早生 このあと土を被せて 高畝にしてマルチを張り トンネルをします 来週末に本格的にまとめて植えます なんといっても一年分を植付けますので それはそれは大変な量 当然手作業ですので時間もかかる 雨が降らないことを祈ります 
 今年は玉ねぎがおそらく全滅 苗が小さすぎてなくなりました(泣く)なのでこのじゃがいもはなんとしても成功させねばならん がんばるのみ

 僕が農業の世界に足を踏み入れた当時 よく思っていたこと なぜ多くの農家は無農薬で農産物を作らないのか?もちろん当時は素人ながら無農薬で作るのは難しいのだろうとは思っていたけど すでに時代はクールアンドビューティ? 健康産業や癒しなどにお金を使う層が出現し始めた頃だっただけに 日本の農家はこれからなだれを打って 有機栽培とやらに移行するだろう ぐらいに思っていた そして 実際に田舎で暮らし畑を耕し始めて だんだん見えてきたこと それは 現存する農家はなかなか変らないということ 
 
 以前の農園でお世話になっていた 地主のおじいちゃん 満州から命からがら逃げ帰り 戦後ずっと田んぼ 畑 そして牛飼い と農業を続けてきた おじいちゃんと触れ合う度に思ったこと それは農薬がどうとか 無農薬がどうとか なになに農法とか そうした話題というのは (ちゃっちいこと)に過ぎないということだ 戦後必死に牛や畑と格闘して生きてきたおじいちゃんにとっては 時代の流れや 都会の流行や クールアンドビューティといったものは あんまり関係ないこと うわっつらで起きていることよりも 牛をじっと観察することや 田んぼの稲穂を手にとること そうした奥の深い世界と毎日対峙して生活をしている百姓にとっては いわゆる健康志向というのとは 世界観が違う 
 もちろん 農協の言うままに 農薬 化成肥料 除草剤 などをしこたま使ってきたことをいいとは腹の中では思っていない ただ 生活のためであったり 田舎の雰囲気ではおいそれとは 口に出せない 僕自身 今でもけっして田舎では自分の口からは無農薬とか ましてやバイオダイナミック農法とかは話さない 聞かれたら 正直に言うだけ そのあたりの言葉にできない田舎の雰囲気みたいなものは 都会とはルールが違うので伝わりにくい
だから 一口でいいとか悪いとかは なかなか言えないな というのが今の僕の正直な気持だ たぶん僕はもう 田舎の人間だから田舎の立場に立っているからだろう

 そんなこともあり 僕はできるだけ 何も知らない若者に期待をしている 彼らなら何も知らない分だけ農産物は無農薬でできるということを見れば信じるし 田舎の因習みたいなものから解放されている すべての条件を兼ね備えているベテラン農業者ではなく 何も持っていない 何も知らない若者 あるいはよそ者 これからはそうした人がこの衰退した農業という世界を 再度構築し直すチャンスがあるのかもしれない と本気で思っている 当然 今の僕が地べたを這いずり回っている生活であるように そうした人たちにも苦難の道が立ちはだかるだろう 100人いるうちの何人かが突破できれば 状況は変っていく たぶん そのようにして 農 という道は細々と受け継がれていくんだろう  

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