コラム・百姓から見た世のつれづれ

2009 8月という月

d244722d.台風が来ているせいか 朝から大雨 どかどか降る こんな日はハウスに閉じこもって 種まき 雨だったけど ハウスの中は蒸しかえるような暑さだった 明日台風がやってきそうだ 野菜がどうか 無事でいられますように・・・祈ることしかできないのが 人間の性

 8月6 8月9 そして 8月15 8月に入ったらやってくる この国にとって大事な日 深夜 疲れてふと目を覚まし うまく眠れずにテレビをつけると NHKで先の日にまつわる 特集が組まれて見入ってしまう 今年も新しい視点で 今まで知らなかった情報が含まれていて 朝まで眠れぬ夜を過ごすことになる 先の戦争で我々の国は 人間魚雷 神風特攻 万歳突撃 など まともな戦略も何もない 幼稚でずさんな作戦が数多く行われ 若い兵士が 紙切れのように扱われ 亡くなっていった そして 今 中東で行われている 自爆テロ 先に行ったのは 私たちの国 この日本だ という事実 これは重い

今年の番組の中で 新たな衝撃を受けたのをひとつ 沖縄戦で米軍が上陸した 渡嘉敷島 前日の夜には 住民が避難を始め 翌朝 とある谷に集結 日本軍から (けっして捕虜にはなるな 男は拷問の限りを尽くされて殺され 婦女子は強姦され殺される 全員自決しなさい) という命令が出て 手榴弾を渡された 意を決して 手榴弾の引き金を引くが 不発が多く 自決できない これがさらなる悲劇を生む 手元にあった なた 木の枝など あらゆるものを使って 自分たちの家族を責任もって 殺して回るという事態になった  生き残って 家族全員を殺した 兄弟二人のインタビューをやっていた 母や妹たちは みな 静かだった 誰も何も別れの言葉もなく その兄弟はただ静かに手をかけていったという
戦後 生き残った兄弟は顔をあわせることを避けて 生きてきた 死んで地獄が待っているというのは 嘘だ 地獄とは この世の中のことであり この3次元で行われていることそのもののことを差している そうでなければ この兄弟の背負ったものを 地獄といわずしてなんというのだろう 昨年も書いたけど 今年も同じように書く 僕は絶対に許さない 何を とか 誰がとかではなくて 私たちが地獄を自分たちの手で作っている という事実をだ 8月という月の たった一日だけでも この絶望に向き合う時間をもつこと 今日がその日だ 来年もその翌年もまた 8月がやってくる・・・・写真 いつぞやかの夕焼け 

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