コラム・百姓から見た世のつれづれ

キャビア・・・アゼルバイ・・・6年前の3・11 ルッコラの花を捧げます

3月11ルッコラの花
懇意にしている アゼルバイジャンのバイヤーから連絡がある (今年のチョウザメは良い)とのこと そう・・・チョウザメといえば キャビア・・・世界三大珍味の一つ フォアグラに並ぶアレである いわゆる 缶詰として出回っているものは言うなれば B級である A級と言われるものは ある一定の大きさのチョウザメに限られる 子供時代から青年期までである もちろん数が取れないわけで貴重品種 それを 世界中のVIPが直接買い付けるわけですな すべて 生での直取引である プライベートジェットを飛ばしてチョウザメを空輸して その場で腹をかっさばいて 直接キャビアをドンペリと一緒に食らう・・・ま 毎年この時期になるとこうして成田空港までプライベートジェットから降りてくるチョウザメを見に行くわけでしてね・・・その後 空港近くのヒルトンのスイートで・・・(失礼しました すべて百姓のたわごとです 妄想です 真実は一つもありません・・・アゼルバイジャンってどこ?プライベートトラクターなら3台所有)
 いや 実際にこうしたことをやっている人は世界にいるかもだけども だったらば有り余る力で なぜ 世界を救おうとしないんだ?

 3・11だ 6年前のあの日 実はその1週間前のことなんだけど はっきり憶えていることがある 今はなき 古民家での出荷をしている時に 毎日のように 郵便局から振替用紙が届くわけだけども その用紙を見て (よし!来年は法人化だ!) と決めたことを憶えている そう なんとか農園が軌道に乗りかけていて 来年は法人化をしようと思ったわけです そして 1週間後あれが起きて・・・翌年夏には 離農一歩手前まで追い込まれました・・・・3・11を思い出すたびに 苦いものしかない もちろん 未だに 12万人の人が避難生活を余儀なくされていて一ミリも終わってはいないのだろう この国にもしかしたらば 半永久的に人が踏み込めない場所ができてしまった という事実 都内ではとっくの昔に終わったかのような話 そして未だに続く 風評被害・・・だから あえて消費者の人に聞きたいのですよ百姓としてはね (放射能はもういいのですか?)とね・・・
 3・11が起きて すぐに 野菜のキャンセルが入り始めた ま しょうがない 仕方がないと思えたのは最初のうちだけ だんだんと顔が青くなり始め 途中からはもう なすすべもなかった
数ヶ月もすれば 周囲の 慣行農家さんたちは 日常を取り戻して 放射能などどこ吹く風 普通に何もなかったように出荷し始めました こちらはといえば どんどん顧客は減っていき 風前の灯 農薬を使わずに 安心・安全を道しるべにやっていた僕のような農家が苦しむ事になったという皮肉 顔の見える関係性とはなんだ?
買い支えてくれる消費者はいないのか?何度思ったことだろう・・・ 正直 あの年の後半と翌年はもう あきらめていました 離農が現実的になるかもと思い 次は何をしようかな と思ったけども 何も思い浮かばなかった もし あのとき これがやりたい! と思っていたらば たぶん 農業を辞めていたかもしれない・・・しがみつかなかったかもしれない

 そして この数字を割ったらばもう農業辞めようと決めた数字をぎりぎりで回避しました・・・その時思いました これはまだやれってことだな と・・・あのとき 買い支えていただいたお客様 本当にありがとう! そして 今でも買っていただいているお客様ありがとう! 本当にそう思いました だから 俺は決めたのですよ 一般消費者には俺の野菜は売らない 買っていただける待ってくれているお客様にだけ届けようと・・・そのスタンスは今でもそうだし 永遠に変わりません 今はなんとか無事に乗り切って 3・11時の売り上げを越えました 正直 あのとき離れていったお客様には複雑です(アホな百姓だって人間だからね)

 あれから6年・・・僕は相変らず アウトサイダーな有機農家です 今年はラジオ配信も始まりました そして 年内にはもうひとつ おもしろい企画を考えております(ふふこれはたぶん受けますよまだ秘密) 
人はいつ死ぬかもしれない それを示したのが3・11です 僕は明日たとえ死んでも悔いはない と思って 畑をやっております できることはすべてやってやろうと思っています どこまで行けるのかは 体力 知力 資金
などなどが決めることでわかりません でも それでいいのだと思います・・・
 最後に 6年前 突然のことでお亡くなりになられた方 いまだに遺体が見つからない方 など 思うに偲びありません 畑に咲く ルッコラの花 を捧げます・・・・合掌

 

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