百姓の詩

じべたに張り付くターサイ もし生まれ変わったとして・・・ロックスターの告白 

12月12ターサイ
今日の写真 本日出荷のターサイ ようやくそこそこの大きさになってきた 冬の葉物の王様はといえば・・・我が農園に置いては 小松菜ではなく このターサイ 寒さに当ると 立ち姿から 地面を這うような姿になる 味は抜群に美味い 今年は 葉物全般今ひとつの生育状況だけども このターサイ君がいつものように活躍してくれると助かる そう 君には エースナンバーを授けるのだ!
 
 もし 生まれ変わったとして 今度は何の仕事をしたいか? と聞かれれば 迷うことなく (移動し続ける仕事)と答える・・・・旅行添乗員 コンサートの裏方 芝居や映画関係のロケ担当 そして サーカス団のピエロ・・・毎日移動して 夜に興行を打つ 初めての街 初めて出会う人々 同じ国だけども 雰囲気や言葉や仕草さノリがちょっとずつ違う その束の間のショーが追われば 先ほどの熱気はどこへやら・・・バスや電車に揺られて また次の街へ向う どこにいて 何をしているのか よくわからないうたかたの夢に包まれたような暮らし・・・世界的詩人 ランポーが詩を書いていた時代は 実は 若い自分のほんのわずかの時間に過ぎないことは有名だ 歳を取り老年となる頃には どこで 何を考えて生きていたのか・・・・もちろん 今の僕の 畑に縛られた 百姓暮らしからは 先の仕事はどれも 夢のように思える けれども そこにはそれなりの苦労があるのだろうて・・・

(俺ももうすぐ還暦を迎える・・・このところ足腰が痛い というか 足が思うように上がらない ギターのストラトを抱えて マイクスタンドを持ち上げる力はもう俺にはない 実はもう ファンの間では定番の伝説となっているジーンズは プライベートでは一切履いてない(だるだるのスウェットばかりだ・・・) そして もう植毛を始めて10年になる まさか 曲がりなりにもステージのセンターマイクにかじりついて歌うこの俺が はげるわけにはいかない・・・それを知っているのは 事務所の社長や 歴代のマネージャーたちだけだ みんなそ知らぬふりをしてくれている・・・年々 キーが下がり続けている もう 30年前の原曲のキーでは唄えない そして 告白すると 俺は音痴だ・・・ツアーの直前 数週間はいつも 専属のボイストレーナーにつきっきりで指導してもらっている 結局 10代の頃に唄い始めたころの 半音シャープする癖は最後まで治らなかった・・・ツアーに出れば 今はもう ステージが終わればすぐに ホテルのスイートに直行 シャワーを浴びたら ルームサービスで飯を食って寝るだけ バスタブにお湯を張り ベッドの周囲には加湿器を置き ひたすら喉を守る暮らしだ バンドの連中は 毎晩 どこかへ出かけて酒を飲んで タレを連れ込んで楽しんでやがる・…でも 実はそんなにうらやましくもない そうした欲求は最近はほとんどない それよりも最近は 中東情勢に関心がある 数年前に頼まれて出た寄付コンサートで政治に目覚めた 選挙など行った事のない俺だけど 今のままでいいわけがないと最近は思う そうした詩を書いて唄いたいが ただでさえ 歌など売れないこの時代に勘弁してくれと周囲には言われている・・・60になる ばつ2のじじいが喉からして 今更ほれたはれたの歌など誰が聴きたいというのだろう? 今年20歳になる 最初の嫁の子供に会いたくて仕方がない・・・毎日一緒にご飯を食いたい でも会えるのは一年に何度かだけだ・・・有名になった代償は高くついたものだ 実際 自分が今どれぐらい金を持っているのか さっぱりわからない・・・・・もし もう一度 人生をやり直せるのなら 新聞記者になりたかった・・・・)

  ロックスターの実際はこんなものだろう・・・大人はみんな苦労している それぞれの世界で それぞれの苦労があるのさ・・・アーメン・・

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