百姓の詩

葉玉ねぎ 新規就農 そして 訃報

0509eddb.jpgさて 今日の写真 葉玉ねぎ もう少し大きくなったら出荷予定です 玉ねぎは作るの難しい ここ成田ではみなさん土に合わないとかで あまり作らない ま 僕の場合野菜セットでやっているので 是非とも作りたい一品だけど 毎年チャレンジしているけど なかなか・・・ てことで 小さい球のものを植え付けて 上の葉っぱ部分と下の球も少し大きくなって 両方食べられるので それを出荷します 3月終わりごろから出せるかな 
野菜の品目落ち込む 端境期には助かる一品

 さて 今日畑で作業をしていると 横を通った軽トラの方に声をかけられる 日頃からよくご挨拶される方 僕が借りている何ヵ所かの畑の近くでおやりになっているベテラン専業農家さん (あのトンネルの中はなんだべかな?)と お聞きになる (キャベツ・白菜・茎ブロッコリーなどです) などと聞かれるがままに 答えていると(いや わしらのような専業農家があんたに聞くのは恥ずかしいことなんだけどね・・・)とぼそりと言う 僕は思わずはっとする 通常 僕のようなよそから新規でやってきた人には わりと上から目線で何かを言われることが多く 僕も新米顔をして (素人なもので・・)といつも答えるようにしているのだけど 見る人が見れば 畑のレベルはわかる もちろん僕なんかたいしたものではないのだけど 年間出荷する有機農家というのは 慣行農家から見れば よくわからないことが多く かなり 栽培レベルの高いことをやっている そしてなおかつ 無農薬 不思議に思われる 今回のように ちゃんと学びたいという意思を感じて 思わずはっとして 帽子を取って 正確に答える 農業は素人でもベテランでも毎年勉強 お互い知らないことは情報を交換して 切磋琢磨していく 今日は先の質問で少しは 認めてもらったかな と思いうれしかった 
 そして 夜は夜で 近辺の有機農家のちょっとした集まりがあり顔を出す 今回はまだ新規就農したてというかまだ 軽トラを買ったばかり トラクターを買ったばかりという新人ほやほやの二人が参加だったので いろいろと質問攻めして なかなかおもしろかった
ま 新人の方から見れば 僕は専業有機農家ということで 凄いと思われるかもだけど 中身はそうたいしたものでもない いまだにサバイバルなのは間違いない

農業で飯を食べていく ということは 並大抵のことではないということはわかりきった上で それでもチャレンジせねばならない理由がその人の中に 確固としてあるかどうか?
僕が見ているのはそこだ それには 人間の深い部分が大いに関係している 農業でなければならないもの 果たしてそこに答えがあるのかはわからないけど それが その人の中になければ長続きはしない そして それは何も 農業に限ったことでなくて 仕事 というものは すべからくそういうものだと思う 10年後 新人たちと僕の知らない情報を教えてもらえるように 僕もがんばりたいし お互い生き残ろう

 そして今朝 年に数回あるかないかの体験 朝4時半ごろふと目が覚めて 部屋の様子がおかしいことに気づく そう だいたいその時間帯は あちらの世界とつながる時間 誰かが来ていることがわかる 場合によっては 人であったりなかったり・・・今朝はさわやかな感じで 僕の身体がふわっと楽になるぐらい そして 同時に涙が止まらなくなる 日頃 曲がらない左のひざが曲がる 泣きながらヨガのポーズみたいなのを始める(自分でもよくわからない) いろんな思いがこみ上げてくるのだけど いったいどこから来ているのかがわからない 1時間ぐらいだろうか 泣きくれた頃 夜が明け始めた・・・それは 何かを残して 去って行った 夕方近く 畑から家に帰ると 昨年シュタイナーのイベントでお会いした 宮崎のハーブ農家 岸上さんの訃報がメールに入っていた 2月の上旬に入院したとの旨は聞いていた そうだったのか・・・ 彼だったのか

 朴訥とした中でも しっかりと大地に根を下ろして サーフボードを軽トラにくくりつけて 毎朝 海に出たあとに畑という うらやましすぎる農業を展開する彼に嫉妬しながら
いつか 宮崎に行ければな と思っていた あのイベントの後 打ち上げで盛り上がり 最終のバスに間に合わず 同じホテルに泊まった 僕は朝 一足先にホテルを出た時に 彼にメッセージを残した まさか それが最後になるとは・・・農業の世界に 飛び込んで 身近な人を何人か亡くしたけど 良い人ほど先に逝くというのは 間違いなく真実だ

人は一期一会 僕がまだ生き残っているということは まだ この世にいてやらねばならんことがあるということでしょう 僕より若かった彼の意志を継ぐ資格が僕にあるかはわからないけど 最後の瞬間まで力を振り絞ってやることは約束できると思う(それしかできないけど) 岸上容三さん あなたに会えてよかった 心からご冥福をお祈りいたします  

2 thoughts on “葉玉ねぎ 新規就農 そして 訃報

  1. 昨日 一昨日と岸上君の葬儀に出席してきました。会場に入りきれないほどの老若男女を問わない友人に見送られました。私も彼の親友としてもっと彼と接して彼の人間としての魅力に触れたかった。今となっては悔やまれるばかりです。奥さんの尚美さんが彼の意志を引き継ぎこの宮崎の地で農業を続けます。多くの友人の心に彼は生き続け、尚美さんを支えることで彼に会うことができるでしょう。

  2. >そうでしたか・・お知らせくださりありがとうございます 奥様も素晴らしい選択だと思います はい 僕も彼の意志を継ぐお仲間に入れさせていただければと思います 書き込みありがとうございました

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