百姓の詩

カフェの2階 農業の本質は 無意識にあり

5月92階カフェ
季節は進んでいるのだけども 今日も天気予報で言っていた雨が降らない・・・・もう何日も雨が降っていない うーむ こんなに降らない農繁期の5月ってない気がする おかげで作付けが前に進まない と言いながら 台風がやってくるようだけど・・・・うう 雨が欲しいのであって 台風はいらないのだけど・・・

 今日の写真 これはカフェの2階になります 1階が店舗なのだけども この2階もついている 最初は何も使わないのだけども いずれ イベントなどで使うつもりだ 上映会や僕の占いの仕事もこれでできる 1年かけて見つけた甲斐があるというもの・・・今日は午前中から 内装業者さんと最終打ち合わせ 細かい点を確認していく
結局 壁は業者さんと一緒に塗ることになった 珪藻土を使う予定で稲藁を細かく砕いたものを入れて 粗く仕上げて 土壁感のようなものを出せればと思う いよいよ来週から着工だ 5月の終わりには内装がほぼ完成 それから テーブルやらなんやらの搬入も始まる ネットやらで見つけた細かい備品などもがんがん発注していく
 この農繁期でもって 畑はてんやわんやの中 なんだか すでにわけがわからない状況がしばらく続く・・・
店舗の往復の電車の中では爆睡だった・・・・

 村上春樹氏のインタビューが新聞に載っていた・・・・(自然な物語を書こうとするとき 最初からプランを作ってはいけないのです 森の中の獣を見るように じっと目を凝らして その獣の動きに従って自分の動きを作っていく そうすると どうしても無意識的なものにならざるを得ないのです)
 農業の世界に飛び込んで常に常に思うこと それは 選択肢などない ということです 今日という日の何時というその瞬間の時には できる農作業はたったひとつ そして そのチャンスは一回きりしかありません なるほど・・・会社勤めの世界ならば 何度かルーティンワークのようなものはあるのかもしれないけども 農業は毎年毎年 ほぼ同じものを同じ時期に作るのだけども だからといって 何か楽になるようなことはあまりありません むしろ 毎年 難しく感じる奥が深い世界です・・・
 農業は数字で細かく見ていけば 最後に辿り着くところは何か? 答えは簡単です 離農です それはつまり どれだけ 効率化や機械化などを推し進めたところで 生産 をしているようでは数字は出せないのですね  そこには 畑や田んぼを今の社会の中でやっていくことに対して 根源的な矛盾が存在します 農業の反対側にある世界は 金融 です 状況が少し変わるだけで 何かが10倍 20倍となっていく世界・・・虚構のゼロにさらにゼロを重ねていき 無限大に広がるゲームのような世界・・・・
 農業の本質とはなんでしょうか? 僕がずっと この世界に関わるようになってから考え続けていることです もちろん 生産であり 食糧であり 日本の文化の根っこにあるもののひとつでしょう しかして 僕がとても強く感じることは アートであり 神話世界の物語であり それは 村上春樹氏言うところの 作家の底に眠る無意識のようなものではないかと思うのです・・・・
 人という2足歩行の哺乳類が 朝 太陽が昇ってきて それと共に体を動かして 農耕をする というのは 僕には すごく無意識的な作業に思えるのです そこになんらかの意味づけをすること自体 あまり意味がないようにすら思えます 何か崇高な現代哲学のようなものよりも ずっと 土着的に無意識にそこにあるもの それが 農業の本質ではないかと思います だからこそ 百姓は 一日の畑作業を終えると 安らかな清い気持ちになって満たされて そして 知的領域から離れていくのだと思います・・・(あほになっていくんですな僕のように)

 夕方 ドラッグストアにて ユンケルの束を購入していると 久しい新規就農の有機農家に会いました・・・
立ち話・・・日に焼けた顔で10年以上のキャリアのある有機農家と話しているだけで 僕はとても楽しいのですね 内容などどうでも良くて お互いを讃えあい 何の経済的な繋がりもなくても ゆるい同志として話せるだけで充分だという気がします・・・この国の農業がどうなっていくのか・・・ありていに言えばどうでもいい気がしますし どうにもなりません しかして 畑をやってカフェをやって 個人としてやりたいことを展開していくしかありません まだまだ 予定の半分すらできておりません・・・これから これからなんですな・・・

1 thought on “カフェの2階 農業の本質は 無意識にあり

  1. 弓木野さん、いよいよですな。
    弓木野さんは生きてるなー!

    2階、ステキな場所ですね。写真からもいい匂いがするわ~!

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